ごっこ遊びとは?
ごっこ遊びとは、身近なものを別の何かに見立てたり、好きな役割になりきる遊びです。男の子でも女の子でも、性別や年齢に関係なく楽しめます。
子ども達は、好きなキャラクターになりきって、ストーリーを展開していきます。お母さんやお父さんなどの真似をする「おままごと」も、ごっこ遊びのひとつです。
1歳頃に「〇〇を〇〇に見立てる遊び」や「〇〇になったつもり遊び」が始まります。そして、言葉のやり取りが始まる2歳頃にごっこ遊びが活発になります。5歳頃にもなれば、お友達同士で世界観を共有しながら楽しめるようになるでしょう。
ごっこ遊びが与える発達への影響
ごっこ遊びは、誰が教えるわけでもなく子ども達の間でごく自然におこなわれます。子どもの発達に与える影響も大きく、保育園での自由遊びや設定保育でも積極的に取り入れられています。ここからは、ごっこ遊びが与える影響について詳しく解説します。
観察力や表現力
ごっこ遊びをするときは、何かのシーンを再現したり、好きな役割になりきって楽しみます。そのためには、対象となる物や人をよく観察する必要があります。動きやセリフなどをよく観察して、自分なりに表現していくうちに観察力や表現力が身に付くのです。
創造力や思考力
ごっこ遊びのテーマによっては、実際には存在しないキャラクターになりきることも少なくありません。そんなときは、創造力や思考力が刺激されます。ストーリーをどう展開していくか、子ども達なりに考えて楽しみます。
協調性やコミュニケーション能力
お友達と一緒にごっこ遊びをするときは、その設定をすり合わせる必要があります。相手のセリフに合わせて、自分のセリフを考えて行動していきます。簡単なことのように見えて、実はコミュニケーション能力が欠かせません。ストーリーを共有するうちに、協調性が身に付きます。
【年齢別】おすすめのごっこ遊び
ごっこ遊びといっても、その内容は年齢によってさまざまです。そこでここからは、年齢別に人気のごっこ遊びをご紹介します。また、保育士など周りの大人の関わり方も解説しますので参考にしてください。
1歳児におすすめのごっこ遊び
1歳児は言葉でのやり取りが難しいため、ごっこ遊びの基礎となる「真似」から始めます。以下のような簡単なやり取りがおすすめです。動物の声や動きを再現する
保育士と手遊びを一緒にする
ブロックを耳に当てて電話の真似をする
長い棒を持って掃除の真似をする
動物の鳴き声を真似してみたり、電話や掃除など日常生活の一部を切り取って再現したりします。 1歳児のごっこ遊びのねらい
1歳児のごっこ遊びは、言葉はなくても観察力や表現力を培います。ふとした瞬間に真似をしているので、見逃すこともあるかもしれません。見たものを真似したり、考えたことを身体で表現したりする楽しさを味わいます。
1歳児のごっこ遊びへの関わり方
1歳児のごっこ遊びは、とにかく日常生活を見せることが大切です。子どもが再現しやすいように、電話をかけるフリをして「〇〇くん、こんにちは~」などと声をかけてみてもいいですね。
2歳児におすすめのごっこ遊び
2歳児になれば、少しずつ言葉でのやり取りが始まります。身近にあるものを使って「見立て遊び」が活発になる時期です。主に、以下のような遊びがおすすめです。お砂場の砂を食材に見立てて料理する
積み木を食べ物に見立てて食べる真似をする
おもちゃを商品に見立ててお店屋さんごっこをする
「ください」「ありがとう」「いただきます」など、日常的なセリフを活用してごっこ遊びを楽しみます。 2歳児のごっこ遊びのねらい
2歳児のごっこ遊びは、見立て遊びが中心となるため想像力を養います。また、少しずつ言葉を交わすことにより、語彙力や表現力を培うねらいも込められています。まだお友達と世界観を共有することはできませんが、工夫する楽しさを味わえるでしょう。
2歳児のごっこ遊びへの関わり方
2歳児のごっこ遊びは、環境構成を整えることが大切です。空き箱や手さげ袋、長いヒモ、固いブロックなど、さまざまな素材のものを用意してあげましょう。手作りのおもちゃも良いですね。子どもの見立てに合わせて声かけをおこなうと、気持ちを盛り上げられるでしょう。
3歳児におすすめのごっこ遊び
3歳児は、自分の好きな役割になりきる遊びが始まります。人気のごっこ遊びは、以下のとおりです。おままごと
ヒーローごっこ
どうぶつごっこ
まだ、お友達とうまく役割を分担できません。自分の好きな役を、自分の好きなように楽しみます。 3歳児のごっこ遊びのねらい
3歳児は、ごっこ遊びのなかでルールを意識していきます。順番を守ることや、お友達を傷つける遊びをしないことなど、お友達と遊ぶうえでの基本を身に付けるねらいが込められています。のちに、コミュニケーション能力にもつながるでしょう。
3歳児のごっこ遊びへの関わり方
3歳児は、まだお友達の意見に耳を傾けられません。保育士が仲裁しながら、並行遊びに慣れていきます。「〇〇くんはネコさんの真似してるんだって!」など、お友達同士がつながれるように関わりましょう。
4歳児におすすめのごっこ遊び
4歳児は、子ども同士でごっこ遊びの役割を決めて進められるようになります。おすすめのごっこ遊びは以下のとおりです。かぞくごっこ
きょうりゅうごっこ
おみせやさんごっこ
子ども同士で遊びを進め、世界観を共有し始めます。役割や設定について意見が割れることも少なくありません。 4歳児のごっこ遊びのねらい
4歳児のごっこ遊びには、協調性を育むねらいが込められています。お友達と意見を交換しながら、コミュニケーションをはかります。ごっこ遊びの世界観を広げ、想像力を刺激するのもねらいのひとつです。
4歳児のごっこ遊びへの関わり方
子ども同士でごっこ遊びを構築しているときは、その世界観を崩さないよう注意が必要です。大人が物語を誘導することがないよう、子どもの想像力をサポートしてあげられるといいですね。
5歳児におすすめのごっこ遊び
5歳児は、お友達と相談しながらスムーズにごっこ遊びができるようになります。設定のクオリティも上がり、以下のようなごっこ遊びを楽しめます。おいしゃさんごっこ
ほいくえんごっこ
プリンセスごっこ
お友達同士で「ここが病院ってことにしよう!」「これカバンね!」など、話し合いをしながら決まりを共有して遊びます。 5歳児のごっこ遊びのねらい
5歳児のごっこ遊びのねらいは、同じ目的に向かって話し合いながら楽しむことです。お友達と楽しむために試行錯誤を繰り返すなかで、思考力を育てます。
5歳児のごっこ遊びへの関わり方
5歳児になれば、ごっこ遊びを子ども達だけで楽しめるようになります。しかし、言葉遣いが荒くなったり、乱暴な動きに発展したりすることも少なくありません。ごっこ遊びの設定だとしても、守るべきルールは伝えましょう。
まとめ
ごっこ遊びは、子ども達に大人気の遊びです。見立て遊びやなりきり遊びを基本として、さまざまな遊びに発展します。幼児にもなれば、子ども同士で世界観を共有できるようになります。
子ども達がごっこ遊びを楽しめるよう、保育士など周囲の大人は環境を整えてあげることが大切です。もちろん、特別なおもちゃは必要ありません。想像力やコミュニケーション能力を刺激できるよう、発達段階に応じた声かけを意識しましょう。