持ち帰り仕事にうんざりしている保育士さんはいませんか?
特に、大きな行事の前や進級の時期の持ち帰り仕事に悩まされている保育士さんは多いようです。
保育園でも家でも仕事をする生活を続けると、精神的にも疲れてしまいますよね。
そこで今回は、持ち帰り仕事の違法性や仕事を持ち帰らないための5つの具体案をご紹介します。
この記事を読んで、持ち帰り仕事をしない保育士さんになりましょう♪
保育士の仕事の持ち帰りは違法では?
持ち帰りの業務に追われているのなら、労働環境がいい職場とは言えません。
では、保育士さんの仕事の持ち帰りは違法ではないのでしょうか?
そもそも保育士の持ち帰りは違法では?
結論から言うと、保育士さんが仕事を持ち帰ることは違法ではありません。
仕事を自主的に持ち帰って家で行う行為には、園長先生や主任先生の指示ではないからです。
もし、業務の指示を受けて、仕事を持ち帰ったのであれば『残業代』が支払われます。
ただし、保育士さんの給料には事前に残業を想定した『みなし残業手当』が含まれていることも。
その場合には、職場での残業とトータルで計算し、みなし残業の時間以上であれば残業扱いになります。
保育士の持ち帰り仕事が違法でなければ相談窓口はどこ?
持ち帰りの仕事を辞めたいのなら、まず相談するのは上司です。
保育園の場合には、主任先生や園長先生に相談してみましょう。
運営規模の大きい保育園なら、人事部や労働組合などに相談するのもいいかもしれません。
もし、残業代の支払いについての相談をしたいのであれば、労働基準監督署に相談するのもひとつの解決法です。
保育士の持ち帰り仕事の現状とは
自分以外の保育園ではどのくらいの人が持ち帰り仕事をしているのか、気になりますよね。
保育士さんの持ち帰り仕事の現状を見てみましょう。
保育士で持ち帰り仕事をしているのは全体の何割?
保育士さんで持ち帰りの仕事をしているのは、全体の何割なのか気になるところです。
実は、保育士さんの持ち帰り仕事の実態が調査で上がってくることはほとんどありません。
2019年の厚生労働省のデータによると、保育士さんの1ヶ月の平均残業時間は4時間でした。
ですが、保育士さんの離職理由の上位に「労働時間が多い」があるのは、残業や持ち帰りの仕事の多さが影響していると言えるのではないでしょうか。
データには上がってこない保育士さんの残業や持ち帰りの実態は深刻だと言えるでしょう。
持ち帰り仕事に負担を感じているのは若い保育士だけ?
実は、保育士業界には『残業が当たり前』という昔からの風潮があります。
「子どもたちのために、仕事を持ち帰ってでも行事を成功させよう!」とか「残業は禁止だから持ち帰って仕上げよう」という会話が交わされるのが普通でした。
最近は、ワークライフバランスが重視されるようになり、働き方改革も進んできています。
持ち帰り仕事に負担を感じている人は、比較的若い保育士さんに多いようです。
幼稚園では持ち帰り仕事はあるの?
幼稚園の場合も、職場によっては持ち帰りの仕事があることがあります。
保育園と同じく、幼稚園の持ち帰りの仕事についても、実態が上がってくることはほとんどありません。
職場によっては、持ち帰りの仕事を禁止している場合もあるようです。
保育士の持ち帰り仕事の業務内容とは
保育士さんはどんな仕事を持ち帰っているのでしょうか?
事務系と製作系に分けてご紹介しましょう。
保育園での持ち帰り仕事「事務系」
毎日書く連絡帳や日誌の他にも、月案に週案、行事計画案に避難訓練計画案など保育士さんにはたくさんの書類作成がありますよね。
中でも、年度をまたぐタイミングの時期は年度末までのクラスの書類と、新しいクラスの計画案でいつも以上に忙しくなります。
【事務系の持ち帰り仕事の例】
・お誕生日会や行事担当の計画案作成
・毎月の避難訓練の計画案
・毎月のお便り作成
・クラスの保護者へ向けた連絡 等
保育園での持ち帰り仕事「製作系」
保育園での活動に欠かせないのが製作です。
子どもたちが季節ごとに楽しめる製作をするのには、保育士さんの材料の用意が必要になりますね。
「製作系は持ち帰って進めた方がラク!」とか「明日までに間に合わせたい!」など、あまり持ち帰り仕事に抵抗なく、当たり前のように仕事を持ち帰る保育士さんも多いようです。
【製作系の持ち帰り仕事の例】
・製作で使用する画用紙やリボン等のカット
・壁面装飾の製作物
・子どもが製作品の仕上げ作業
・お誕生日カード作成
・保護者向けのイベントのプログラム作成 等
パート保育士にも持ち帰りが多いのが「製作系の単純作業」
実はパートの保育士さんであっても、仕事の持ち帰りがある保育園はあります。
特に多いのが、大きな行事で製作する物のパーツ作りです。
例えば、画用紙に描いた丸をハサミで切り取り30枚×3色を翌朝の出勤までに用意するなどの単純作業。
担任保育士さんが残業している姿に声を掛けて持ち帰るパート保育士さんもいるようです。
持ち帰り仕事を辞めたい!5つの具体策をご紹介
持ち帰り仕事を辞めたい!と本気で思っている保育士さんへ具体的な対策をお伝えします。
保育士が持ち帰り仕事をしないための方法①声をあげる
昔からの風潮で『保育士の持ち帰り仕事は普通』と感じている保育士さんもいます。
自分が持ち帰り仕事に負担を感じているのなら、園長先生や主任先生に積極的に伝えましょう。
仕事は勤務中に行うのが普通のことなので、業務内に仕事ができるように調整してもらいましょう。
保育士が持ち帰り仕事をしないための方法②保育補助を増やす
保育士さんは通常の業務以外にも、日々さまざまな追加業務が発生します。
クラス担任だけで日々の保育を回していくのは、とても大変なことです。
特に、後片付けなどの雑務や行事前の製作などを補助してくれるパートの保育士さんにお任せできれば業務負担が減ります。
任せる業務を箇条書きにしておくと、時短パートさんも動きやすくなりますね。
保育士が持ち帰り仕事をしないための方法③ICT化
保育士さんの書類は、種類や量が多くかなりの負担になっていることでしょう。
ICT化を導入することで手書きに比べて、早く書類作成ができるようになります。
園長先生や主任先生が紙の書類にこだわるのであれば、紙の書類とICTとの併用ができることを伝えてみるといいのではないでしょうか。
保育士が持ち帰り仕事をしないための方法④書類の簡素化
保育士さんは日中に保育をした後に、個別の児童台帳や日誌の作成をしなければなりません。
特に個別の児童台帳には、個々の子どもについて『人とのかかわり』を記載します。
日中の子どもの様子を思い出しながら、児童台帳を書いていくのは大変と感じている保育士さんも多いようです。
保育士が持ち帰り仕事をしないための方法⑤残業癖
昔からの残業癖があるのが保育士業界です。
朝から元気な子どもたちの保育で、保育士さんは結構な体力を消耗しています。
そして日中の保育が終わった後に、今度は事務作業をしなければならず、定時に業務を終えるのはなかなか難しいことでしょう。
その残業が癖になって、疲労を溜めながら残業をする癖や、仕事を持ち帰る癖へとつながっていきます。
保育士さんが持ち帰り仕事をなくすためには、まずは残業癖を治しましょう!
持ち帰り仕事なしの保育士になりましょう!
いかがでしたか?今回は保育士の持ち帰り仕事についてご紹介しました。働き方改革によって、保育士の残業に対する意識は変わってきたものの、まだまだ持ち帰り仕事についてはグレーゾーンにしている保育園が多いようです。今回ご紹介した具体的な方法で、残業や持ち帰り仕事をしない保育士さんになりましょう!参照:厚生労働省 賃金構造基本統計調査