保育士としての就職や転職で重視したいのが、自宅から保育園までの通勤時間です。採用前にしっかり確認しておかなければ「早出の日は始発でギリギリ…」なんてことも。
そこでこの記事では、保育士の平均通勤時間や通勤方法について解説します。通勤時間が短い場合、長い場合のメリットもご紹介しますので参考にしてください。
保育士の平均通勤時間
保育士の通勤手段
保育士の主な通勤手段は、以下のとおりです。● 徒歩通勤
● 自転車通勤
● バイク通勤
● 自動車通勤
● バス通勤
● 電車通勤
保育園によっては、保護者送迎用の駐車場のみで「自動車通勤禁止」という決まりがある場合も。また、地域によっては交通の便が悪く、電車やバスを乗り継いで通勤する保育士も少なくないでしょう。「混雑する公共交通機関が苦手」という人は、通勤時間だけでなく通勤手段も考慮して求人を探しましょう。履歴書の通勤時間の書き方は片道の「ドアtoドア」が基本です。公共交通機関への乗り継ぎはもちろん、前後の自転車や徒歩での移動時間も含めて記載しましょう。 雇用形態別の通勤時間
通勤時間は、雇用形態によってもやや差が生じています。
| 15分未満 | 15分~30分未満 | 30分~1時間未満 | 1時間以上 |
全体 | 24.5% | 30.2% | 31.8% | 13.5% |
正規職員 | 17.8% | 29.2% | 35.9% | 17.1% |
契約職員/フルタイム | 24.0% | 33.2% | 32.3% | 10.5% |
契約職員/パートタイム | 39.1% | 31.8% | 22.6% | 6.5% |
正規職員は、通勤に30分以上かけている割合がやや多くなっています。また、1時間以上かかっているという保育士も珍しくありません。
一方、パートタイムで働く保育士は、通勤時間15分未満の割合がやや多く、通勤に1時間以上かける割合は正規職員の半分以下です。「自宅から近い場所で働きたい」という希望が高いことが読み取れます。
子育て保育士の通勤時間
子育てをしている保育士は、自身の身支度だけでなく子どものお世話や保育園への送迎など朝からバタバタです。勤務先保育園までの通勤時間が1時間だと、お迎え時間も勤務終了から1時間後になってしまいます。
同じくこちらの調査によると、約7割の保育士が再就職する際の希望通勤時間を「30分~1時間未満」と回答しています。子育てしている保育士はもちろん、プライベートを大切にしたい保育士は通勤時間を重視しているといえるでしょう。
通勤時間が1時間だと早出に間に合わない?
保育士全体の割合を見ると、通勤時間に1時間以上かけている人は少数派です。とはいえ、待遇が良く自身の保育理念に合った保育園であれば、少し遠くても候補として検討したいですよね。
そこで気になるのが、通勤に1時間かけた場合に「勤務に間に合うか」です。これは、勤務する保育園の開園時間にもよります。例えば、早出の勤務が6時からの場合は5時前に自宅を出発する必要があります。そこで始発が6時からのバスしかなければ、早出の勤務が困難となるでしょう。
固定勤務であれば問題ありませんが、通勤時間に1時間以上かかる場合は早出の時間や通勤方法を合わせて検討しましょう。
保育園までの通勤時間が短いメリット
保育士として就職・転職を考えたとき、希望する保育園が勤務可能なエリアにあるかどうかはとても重要なポイントです。「できれば自宅から近い方が良い…」と、考える人も多いでしょう。保育園までの勤務時間が短いメリットは、以下のとおりです。
朝や帰宅後の時間をゆっくり過ごせる
通勤時間が短ければ、自宅にいる時間が多くなります。朝はゆっくり起きてのんびり準備。勤務後は自宅に早く帰れることでプライベートの時間を確保できます。とくに、朝の30分はとても重要です。自身のライフスタイルに合わせて、通勤時間の希望を絞りましょう。
天候や交通状況に左右されにくい
自宅から保育園までの距離が近ければ、天候や交通状況に左右されにくくなります。自動車は渋滞が、公共交通機関であれば遅延などにより勤務時間に遅れてしまうことも。徒歩や自転車で通える距離であれば、そのような影響を受けにくいといえるでしょう。
保育園の子ども達が育つ環境を把握できる
勤務先と自宅が近い場合は、保育園に通う子ども達と生活圏が同じになります。そのため「昨日ママと公園に行った」など、子ども達が話す日常のシーンを想像しやすくなるでしょう。進学先の小学校、近隣の習い事に詳しくなれば、保護者とのコミュニケーションも取りやすくなりますよ。
保育園までの通勤時間が長いメリット
「勤務先となる保育園とは少し距離が欲しい」と、考える人も少なくありません。単純に時間がかかるというデメリットはありますが、保育園までの勤務時間が長い場合にもいくつかメリットがあります。
家庭と仕事をしっかり切り換えられる
自宅と保育園まで距離があれば、通勤中に家庭と仕事をしっかり切り換えられます。家庭、仕事のそれぞれで嫌なことがあっても、移動時間に気持ちを落ち着かせることが可能です。仕事帰りに好きなお店に寄るのも、良い気分転換になるでしょう。
通勤時間を有効活用できる
通勤方法にもよりますが、通勤時間を有効活用できるという考えもあります。好きな音楽を聴いたり、読書をしたり…。1日2時間、1ヶ月に20日出勤すれば40時間も確保できます。キャリアアップのため、資格の勉強に当てるのもおすすめです。
生活圏を分けることでプライベートを保てる
通勤時間が短い場合は、近所のスーパーで買い物をしているときに保護者と遭遇する可能性があります。一緒にいる人や購入したものを見られるのは、あまり良い気はしませんよね。離れた場所で勤務すれば、そのような心配が少なくなるでしょう。
保育士の交通手段別のポイント
保育園の決まりにもよりますが、徒歩や自転車であればジャージのまま出勤することも可能です。そのほか、保育士の交通手段別に考えられる通勤のポイントを解説します。
徒歩通勤
勤務先保育園の近くに住んでいる場合は、徒歩での通勤が可能です。● 天気や交通状況の影響を受けにくい
● 交通費がかからない
● プライベートを確保できない
保育園付近では子ども達と遭遇するため、勤務時間外とはいえ気が抜けません。ときには、帰宅途中に保護者から「そういえばこの間…」と、相談を受けることもあるでしょう。 自転車通勤
徒歩通勤と同じく、勤務先保育園の近くに住んでいる場合は自転車通勤もおすすめです。● 交通状況の影響を受けにくい
● 交通費がかからない
● 雨の日など天候によっては大変
自転車通勤も、プライベートを確保しにくいというデメリットがあります。しかし、自転車があれば、お昼休みに郵便局や銀行などの用事を済ませることが可能です。 バイク通勤
勤務先保育園と少し距離がある場合は、バイク通勤という手段もあります。● 公共交通機関のような待ち時間がない
● 保育園によっては交通費が支給される
● 天候や交通状況の影響を受ける
バイク通勤はとても便利ですが、そもそも保育園が許可しているか、停める場所があるか確認しておくことも大切です。また、交通費の支給規程にも注意したいですね。 自動車通勤
保育園によっては、自家用車の通勤が可能です。● 自分のペースで通勤できる
● 荷物が多くても困らない
● 天候や交通状況の影響を受ける
車での通勤は、感染症対策にもおすすめです。とはいえ、自動車通勤不可となっている保育園も少なくありません。自動車通勤を希望する人は、応募前に確認しておきましょう。 バス通勤
保育園の立地によっては、バス通勤もおすすめです。● 乗ってしまえば目的地まで連れて行ってもらえる
● 混雑しているときは座れない可能性がある
● 天候や交通状況の影響を受ける
バス通勤の場合は、自宅からバス停まで、バス停から保育園までの移動も必要です。大きな荷物を抱えていると、やや大変かもしれません。 電車通勤
駅に近い保育園であれば、電車通勤が便利です。● 天気や交通状況の影響を受けにくい
● 乗ってしまえば目的地まで連れて行ってもらえる
● 混雑しているときは座れない可能性がある
電車1本で完結する場合は、通勤片道1時間でもあまり苦に感じないかもしれません。しかし、駅まで徒歩・自転車・バスなどで移動したり、電車の乗り換えがあったりする場合は大きな負担となるでしょう。 まとめ
保育士の平均通勤時間は、約30分です。「徒歩10分は近すぎてプライベートが不安」「通勤1時間はちょっと無駄に感じる」という思いから、30分前後で通勤できる保育園を探している人も多いのではないでしょうか?
通勤時間の目安も大切ですが、実際の経路や交通状況を確認しておくことも大切です。自身のライフスタイルも考慮して、無理のない範囲で求人を探せると良いでしょう。