「子どもと関わる仕事をしたいけど保育士免許を持っていない」「無資格でも保育園で働ける?」と悩んでいる人も多いでしょう。実は保育園は、無資格でも保育補助として勤務可能です。
この記事では、無資格で働く保育補助の仕事内容や、働くメリット・デメリットを解説します。また、働き方による特徴もご紹介しますので参考にしてください。
無資格でも働ける!保育補助とは?
保育補助は、その名のとおり「保育(士)の補助」としてサポート業務を担います。勤務先は認可保育園や認可外保育園、認定こども園、小規模保育園、学童保育などさまざまです。保育士不足が問題視される昨今、保育補助は保育園の運営になくてはならない存在として需要が高まっています。
保育補助はパートやアルバイトでの募集が多く、保育に興味のある保育学生やフリーター、主婦(夫)、シニア層に人気があります。
無資格・未経験で勤務可能ですが、子どもや保護者から見ると保育補助も保育士と同じ「先生」です。保育園で働く以上、子どもの命を守る責任があるため、保育に関する最低限の知識は必要不可欠といえるでしょう。
保育園で働く保育補助の仕事内容
保育補助は保育士のサポート的な立場のため、基本的に保育士の指示に従って動きます。保育士資格を持っていないことから、クラス担任や行事の責任者は任されません。保育補助のおもな仕事内容は以下のとおりです。
寝かしつけやおむつ替えなど子どものお世話
保育補助は、子どもの基本的生活習慣(食事・睡眠・排泄・清潔・衣服の着脱)に関するお世話を担います。● 給食やおやつの配膳や片付け
● 給食やおやつの見守りや介助
● お布団の準備や片付け
● トントンや抱っこでの寝かしつけ
● おむつ替えや排泄の補助
● 手洗い・うがいの見守りや介助
● 汗をかいたり、汚れたりしたときの着替えの介助
おもに、保育士の手が回らない部分に気を配るのが保育補助の役割です。製作や体育遊びなどの設定保育で考えると「子どもたちの前に立って進行するのが保育士」「子どもの取り組みを見回り手助けするのが保育補助」というイメージです。 掃除や行事の準備などの雑務
保育補助は、掃除や行事の準備など雑務も全面的に担います。とくに、子どもがお昼寝している間などの空き時間は、保育士の指示を仰いで雑務を中心にこなします。● トイレや玄関などの清掃
● 子どもが使ったおもちゃの消毒
● 倉庫の整理や遊具の点検
● 指示された書類の整理や印刷業務
● 行事で使用する小道具や衣装の作成
保育補助が「次の設定保育は〇〇をしよう」と自分で決めて準備することはありません。保育士が計画した内容に沿って準備をおこなうため、逐一指示を仰ぐ必要があります。 保育士が不足する早朝・延長保育の対応
保育補助が最も必要とされる時間帯として、早朝や夕方以降の延長保育が挙げられます。保育士が手薄になる時間帯のため、以下のようなさまざまな業務を担います。● 朝の受け入れや健康観察
● 通常保育開始までの子どもの見守り
● 担任保育士への引継ぎ
● 指示された保育活動の準備
● お迎えの待ちの子どもの見守り
● 保護者への受け渡しや引継ぎ
● 保育活動の片付けや掃除
早朝や夕方以降の延長保育に入る際は、保護者と顔を合わせる機会が多くなります。大切な引継ぎは保育士がおこないますが、保育補助が対応する機会もあります。そのため、ある程度のコミュニケーション能力が求められるといえるでしょう。 無資格で保育補助として働くメリット
保育補助として働くメリットはさまざまです。● 働きながら保育に関する知識を身につけられる
● 自分の空いている時間を有効活用できる
● クラス担任など重圧のある役割を避けられる
● 残業や持ち帰りの仕事が少ない
保育士資格の取得を予定している人であれば、保育補助としての勤務が良い実務経験になります。また、子育てが一段落した人は、子育て経験を活かして好きな時間に働けます。そして、なんといっても「子どもが好きだけど資格がない」という人にピッタリの働き方といえるでしょう。 無資格で保育補助として働くデメリット
保育補助として働くデメリットは以下のとおりです。● 時給はあまり高くないため収入が安定しない
● 雑用ばかりで子どもとの関わりが少ない
● 自分の思うような保育ができずやりがいを感じにくい
● 人手不足の保育園であれば保育士に近い業務を任される
働く保育園にもよりますが「雑用ばかりで子どもと触れ合えない」「資格がないのに保育士と仕事内容が変わらない」など、イメージしていた働き方と異なることも。給与や仕事内容などにミスマッチがないよう、求人探しは慎重におこないたいですね。 無資格保育補助の働き方
保育士不足が問題視されている近年、保育補助の求人は数多くあります。そして、その働き方もさまざまです。ここからは、それぞれの働き方の特徴を解説します。
正社員の保育補助
パートやアルバイトのイメージが強い保育補助の資格ですが、なかには正社員としての募集もあります。その数は少なく「保育士資格取得をめざして目指している人に限る」という条件があるものも。また、保育補助兼、事務としての求人もあります。「働くなら正社員が良い」という人は、求人探しに時間をかけてみてはいかがでしょうか?
フルタイムパート
保育補助として、フルタイムパートの勤務も可能です。固定勤務にすることで、収入が安定したり、規則正しい生活を送れたりするメリットがあります。保育士や子ども達からみても「いつもいてくれる存在」として頼りにされるため、やりがいも感じられます。保育園によっては、ボーナスが支給されることもあるようです。
短時間バイト
短時間だけ働く保育補助は、自分のライフスタイルを考慮しながら働く時間を決められます。保育園側としては、正職員として働く保育士が手薄になる「早朝と夕方以降」の人材を求めています。時給が高く設定されていることも多く、短時間で効率良く収入が得られるのもうれしいポイントです。
無資格保育補助の求人応募に有利になること
無資格・未経験でも採用される保育補助ですが、資格や経験があるに越したことはありません。ここからは、保育補助の求人応募に有利になるスキルをご紹介します。
子育て経験
無資格・未経験者が保育園で働く場合は、子どもとの接し方に戸惑ってしまいます。しかし、子育て経験があれば子どもの対応はバッチリ!子どもの発達に関しても、ある程度の知識があるため保育現場で役に立つはずです。また、若い保護者の良き相談相手として頼りにされるかもしれません。
子育て支援員の研修受講
子育て支援員とは、各自治体が実施する研修を受講して取得する資格のことです。子育て支援の研修を受ければ、子どもの発達や緊急時の対応を学べます。保育補助の求人のなかには「子育て支援員優遇」と記載されているものも少なくありません。無料で受講できる地域も多いため、研修に参加しておくことに損はないといえるでしょう。参考:厚生労働省「子育て支援員」研修について 保育士資格試験の受験
無資格・未経験でなんとなく保育園で働く人よりも「保育士になりたくて勉強している」という、意欲がある人の方が優遇されると考えられます。保育士試験の受験資格を得るために実務経験が必要な人も少なくないでしょう。
また、保育士試験の受験を控えた人は、保育補助の実務経験が良い勉強になります。保育士資格の取得のための「修学資金の貸付」や「受講費の支援」もあるため、興味のある人は検討してみてはいかがでしょうか?
まとめ
無資格・未経験でも保育園で働ける「保育補助」。「資格がないけど子どもと関わる仕事がしたい」という人にピッタリの仕事といえるでしょう。また、保育士不足により保育補助の需要が増えているため、求人も多くなっています。通勤可能な保育園から、自分の希望に合った条件の求人を探してみましょう。