劇遊びは、子供たちが役になりきって物語を演じる遊びです。保育園や幼稚園の発表会では、劇遊びを導入していることも多いですね。年齢ごとに劇遊びに使える題材は変わるので、毎年担当するクラスでの劇遊びの題材に悩む保育士さんも多いようです。
さて、4歳児クラスで劇遊びをするなら、どんな題材を使えばいいのでしょうか?今回は、4歳児クラスにおすすめの劇遊びの題材を選びました。4歳児クラスの担任になった保育士さんはぜひ参考にしてください。
劇遊び【3つのねらい】
まずは、劇遊びのねらいについて理解しておきましょう。
①ストーリーから想像力を育む
一つ目のねらいは、ストーリーから想像力を育む事です。
ごっこ遊びと違い、劇遊びにはストーリーがあります。ストーリーを通して、役を演じることによって登場人物の気持ちを想像する力がつくでしょう。
②友だちと表現することを楽しむ
二つ目のねらいは、友だちと表現することを楽しむ事です。
決まった役になりきって台詞を言う、歌うなど友だちと一緒に演じる楽しさは普段のごっこ遊びとは違う事でしょう。
③物語の世界を楽しむ
三つ目のねらいは、物語の世界を楽しむ事です。
発声しながら身体を動かして役を演じる事は、絵本や紙芝居を見るのとはまた違った感覚が味わえます。より物語の世界が楽しめるでしょう。
【4歳児】劇遊び向けの絵本
では、4歳児クラスの劇遊びに向いている絵本をご紹介します。
①11ぴきのねこ
魚を食べたい11ぴきのねこたちが、力を合わせて作戦を立てる絵本。親子二代で愛されてきたシリーズ絵本で、子どもたちに人気のお話です。ラストシーンでは、静寂の後に大笑いのオチがあるので劇遊びのメリハリ作りにもピッタリですね。
②かいじゅうたちのいるところ
怪獣のように元気な男の子がある日、怪獣の国の王さまになる絵本。現実と夢の狭間で生きている子どもたちが夢中になるお話です。踊るシーン、遊ぶシーン、行進するシーンなど場面の切り替えがしやすいので、劇遊びにしやすい題材です。
③めっきらもっきらどおんどおん
不思議な世界に辿り着いた男の子が、その世界で出会った奇妙な3人と遊ぶ絵本。「めっきらもっきらどおんどおんどおん」の歌はインパクトがあって耳に残りますね。
【4歳児】劇遊び向け日本の昔話
次に、4歳児クラスの劇遊びに向いている昔話をご紹介します。
④ももたろう
桃から生まれた桃太郎が、鬼退治に向かう日本の昔話。お供に、犬、さる、キジがいますが、子どもたちと相談してお供する動物の種類を増やすのも手ですね。昔から受け継がれてきた話なので、物語の世界に入りやすいことでしょう。
⑤うらしまたろう
いじめられていた亀を助けた浦島太郎が、亀の背中に乗って海の底にある竜宮城に招かれる日本の昔話。竜宮城での乙姫や煌びやかなシーンをメインにして、玉手箱を開けておじいさんになるシーンでインパクトのある演出をするのもいいでしょう。
⑥さるかに合戦
さるとカニが登場し、柿の種とおにぎりを交換する日本の昔話。仲間と協力してイジワルなさるを退治するので、最後は楽しい場面で終わりますよ。役柄ごとに歌や台詞を分けやすいので、4歳児の劇ごっこにピッタリです。
⑦つるの恩返し
助けたつるが恩返しに来てくれる日本の昔話。助けるのは青年や老夫婦などお話によって違うそう。子どもたちと話し合って、登場人物をアレンジしても良さそうです。美しいつるが登場するシーンと、主人公が約束を破ってしまうシーンがメインになります。
【4歳児】劇遊び向け海外の昔話
最後に、4歳児クラスの劇遊びに向いている海外の題材をご紹介します。
⑧ブレーメンの音楽隊
飼い主に追い出された動物たちが集まって、ブレーメンを目指して音楽隊を結成するグリム童話。たくさんの登場人物がいるので、役決めがしやすいでしょう。メインは演奏のシーンでラストを飾ればクラス全員が揃うので華やかになるでしょう。
⑨北風と太陽
北風と太陽が、旅人の上着を脱がせようと対決するイソップ物語。登場人物が少なく、物語も短めなので、人数が少ないクラスにおすすめです。真っ赤な太陽と真っ青な北風を対比して、お互いの声の大きさやダンスの上手さなどを競う演技も盛り上がりますよ。
⑩おおかみと7匹のこやぎ
お母さんが留守の間に訪ねてくるおおかみを、7匹のこやぎが追い払うグリム童話。声が違う、足の色が違うなど繰り返しの末におおかみに食べられてしまうシーンは劇ごっこに向いていますね。
⑪三びきのヤギのがらがらどん
大きさの違う三匹のヤギが、橋の下にいるトロルを退治するノルウェーの昔話。大中小のヤギが登場するシーンは、繰り返しになるので子どもたちも楽しんで取り組めそう。
4歳児の劇遊びに使える絵本はたくさん!クラスの子どもに合った劇の題材を選ぼう
今回は、4歳児クラスの劇ごっこに向いている題材をご紹介しました。
ご紹介した絵本、日本の昔話、海外の昔話以外にも劇の題材になる物語はたくさんあります。クラスの子どもたちの雰囲気や興味に合わせながら、保育士さん自身も劇遊びを楽しんでくださいね。