昔から受け継がれている「あやとり」は、輪にした一本のひもを使っていろいろな形を作る遊びです。手先や指先の力を促すだけでなくさまざまな知育効果が期待できる「あやとり」。しかし、保育士さんの中には「あやとりの技がわからない」「子どもに教えるのが難しい」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、あやとり遊びの技をご紹介します。子どもたちがいろいろな種類のあやとりを知って楽しく取り組めるよう、技が知りたい保育士さんはぜひ参考にしてください。
保育士さんが子どもにあやとりを渡す前に知っておきたいこと
まずは、保育士さんが保育園で子どもたちにあやとりを渡す前に知っておきたいことをまとめました。保育にあやとりを取り入れる前に確認しておきましょう。
毛糸をあやとりにする結び方
保育園で使うあやとりの材料で多いのが、毛糸です。毛糸をあやとりにする時には、使う子どもの手や腕のサイズに合わせて長さを決めます。子どもが両手を広げたときの長さが、あやとりにちょうど良い長さで約140cm〜160cmが一般的ですね。また、毛糸をカットしたら、両端を固結びでしっかりと固定しましょう。蝶むすびでは解けやすくなるので固結びがおすすめです。
子どもに伝えたいあやとりのルール
あやとりは、長いひもを使います。長い紐は、間違って使うと事故につながってしまうこともあります。子どもたちには首や腕などに巻き付けないようにしっかりと伝え、遊んでいる間も危険な使い方をしていないか確認するようにしましょう。また、乳児クラスであやとり遊びをする場合には、誤飲にも注意する必要があります。
苦手な子があやとりを楽しむための方法
あやとりは手先や指先を使う遊びなので、まだ手先や指先の力が発達していない子どもにとっては難しい遊びです。同じ年齢であっても、子どもによって発達の段階は違うため、「あやとりは苦手」「あやとり、やりたくない」と感じる子もいます。その場合には、保育士さんがあやとりでマジックをみせてあげるのも一つの方法でしょう。あくまで、無理強いせず少しずつあやとりの楽しさを伝えていきましょう。
あやとりの作り方一覧
では、あやとりの作り方をご紹介します。
あやとりで『ちょうちょ』
あやとりで、ちょうちょを作ってみましょう。
<やり方>
①左手の親指と小指にひもをかける
②たれたひもを右手でひねる
③右手の親指と小指にひもをかける
④右手の中指で左の手のひらひもを下からとる
⑤左手でも同じようにとる
⑥右左それぞれ、小指で親指の1番手前にある紐を下からとる
⑦指先を広げたら完成!
あやとりで『ねずみ』
あやとりで、ねずみを作ってみましょう。
<やり方>
①親指と小指にひもをかける
②右手の人差し指で左手の手のひらにあるひもをとる
③反対側も同じようにとる
④薬指で1番手前のひもをとる
⑤親指のひもをはずす
⑥小指で小指の斜めまえのひもをとる
⑦1番奥のひもを小指からはずす
⑧人差し指のひもをはずす
⑨手のひらを向こう側に向け親指でひもを引っ掛ける
⑩右手の人差し指で右手の1番下のひもをとる
⑪反対側も同じようにとる
⑫親指と小指のひもをはずす
⑬輪っかの左右を親指でとる
⑭親指で人差し指のひもをとる
⑮親指の1番下のひもをはずす
人差し指のひもをはずす
あやとりで『富士山』
あやとりで、富士山を作ってみましょう。
<やり方>
①両手の親指と小指にひもをかける
②右手の中指で左の手のひらにあるひもをひっぱる
③反対も同じように行う
④親指にかかっているひもをはずす
⑤親指で向こうから手前にひっかけるようにひもを取る
⑥中指にかかっているひもをはずす
⑦小指にかかっている1番向こうのひもを中指の下からとる
⑧小指にかかっているひもをはずす
⑨小指で親指にあるひもをとる
⑩右左のひもを薬指にかける
⑪中指にかかっているひもを下からとる
⑫親指にかかっているひもをはずす
あやとりで『つづみ』
あやとりで、つづみを作ってみましょう。
<やり方>
①ひもを両方の手首にかける
②左右両方のひもを1回転させる
③親指で手首にあるひもをとる
④手前のひもを下から小指でとる
⑤手のひらのひもを中指でとる
あやとりで『1段はしご』
あやとりで、1段はしごを作ってみましょう。
<やり方>
①右手と左手の親指と小指にひもをかける
②右手の親指で左の手のひらにあるひもを下からとる
③左手も同様にする
④両手の小指のひもをはずす
⑤両手の親指のひもを外側からはずす
⑥左手の指先が下を向くように左手を手前にひねる
あやとりで『4段はしご』
あやとりで、4段はしごを作ってみましょう。
<やり方>
①右手と左手の親指と小指にひもをかける
②右手の中指で左の手のひらにあるひもを下からとる
③左手も同様にする
④親指にかかっているひもをはずす
⑤親指で全部のひもの下をくぐり1番向こうのひもをひっかけるようにとる
⑥親指で中指の向こう側にあるひもをとる
⑦小指にかかっているひもをはずす
⑧小指で親指のところにあるひもを下からとる
⑨親指にかかっているひもをはずす
⑩親指で小指の手前にあるひもを下からとる
⑪中指にある紐を親指にかける
⑫親指にある1番外側のひもをはずす
⑬小指を外し中指を曲げる
あやとりで『7段はしご』
あやとりで、7段はしごを作ってみましょう。
<やり方>
①まずは、上記の4段はしごを作る
②一番外側のひし形の下に右手と左手の中指をそれぞれ入れる
③奥から2番目のひもを下からとる
④親指にかかっているひもをはずす
⑤1番下にあるひもを親指で向こうから手前にひっかけてとる
⑥親指で中指の向こう側にあるひもととる
⑦小指のひもをはずす
⑧親指の向こう側にかかっているひもを下からとる
⑨親指のひもをはずす
⑩右手の中指を1回転させる
⑪右手の小指を1回転させる
⑫親指で小指にかかっているひもをとる
⑬中指にかかっているひもを親指にかける
⑭一番手まえのひもをはずす
⑮手前にできた三角形の隙間に中指を入れて小指の紐ひもをはずす
あやとりで『ひも移し』
あやとりで、ひも移しをやってみましょう。
<やり方>
①片手の人差し指にひもをかける
②手のひらから出るひもを上にしながら人差し指と中指に3周巻きつける
③下のひもだけとり、一周巻きつける
④人差し由布と中指にぐるぐる巻きつける
⑤「マジック」と言ってひもをといていく
⑥人差し指にあったひもが中指に移る
あやとりで『ほし』
あやとりで、ほしを作ってみましょう。
<やり方>
①ひもを二重の輪っかにする
②左手と右手の親指と小指にひもをかける
③右手の人差し指で左手の手の甲にあるひもを下からひっかけてひっぱる
④左手も同じようにする
⑤親指で人差し指の向こう側にかける
あやとりで『2人もちつき』
あやとりで、2人もちつきをやってみましょう。
<やり方>
①2人で向かい合って親指と小指にひもをかける
②右手の中指で、対角線にある手のひらのひもを下からとる
③左手も同じようにとる
④中指のひもだけを残して全てのひもをはずす
あやとりで『ほうき』
あやとりで、ほうきを作ってみましょう。
<やり方>
①左手の親指と小指にひもをかける
②右手でひもをひっぱる
③右手で左手のひらのひもをひっぱる
④もう一度右手で左手のひらのひもをひっぱる
⑤たれているひもに右手をいれて小指の外側にかかっているひもと親指にかかっているひも2本をつまみひっぱる
⑥薬指・中指・人差し指をそれぞれひもの隙間にいれる
⑥右手でもっている紐を反対側にして離す
⑦右手で左手にある1番長いひもをひっぱる
あやとりで『2本ほうき』
あやとりで、2本ほうきを作ってみましょう。
<やり方>
①両手の親指と小指にひもをかける
②ひもの下から中指を入れてひっぱる
③反対側も同じようにひっぱる
④1番手前の隙間に親指以外の指を入れてひもを握る
⑤手前にきた1本のひもを手の甲へ回す
⑥右手の中指からひもを外して右手の親指へ移す
⑦反対側も同じようにひっぱる
⑧手の甲にあるひもをはずして中指に移す
⑨小指から下向きにかかっているひもを小指の上にかける
⑩1番奥にあるひもを小指からはずす
⑪親指のひもを外して、両手をひっぱる
あやとりで『マジックほうき』
あやとりで、マジックほうきを作ってみましょう。
<やり方>
①両手の親指と小指にひもをかける
②左の手のひらのひもを下からとり、1回ひねってから右手の中指にかける
③左手の中指で右の手のひらのひもを下からとる
④最後に「パン!」と手を打ち、右手の親指と小指からひもを外してひっぱる
保育園であやとりを楽しみましょう
今回は、あやとりの作り方をご紹介しました。
1人でも複数人でも楽しく遊べる「あやとり」には、簡単な技から難しい技や連続技までバリエーションもさまざまです。まずは保育士さんがあやとりの技を覚えて、保育園の子どもたちにあやとりの楽しさを伝えてみてはいかがでしょうか。